世界に一本だけの竿を作る!ロッドビルディングのやり方をすべて解説!

こんにちは!六畳一間の狼のSUUです!

皆さんは釣りの楽しみってどんなことがあると思いますか?

魚を釣ることはもちろんのこと、どんな道具を使おうか悩む時間など楽しみ方は様々です。

そこで、今回は皆さんに少しマニアックな釣りの楽しみ方をご紹介します。

それは「オリジナルロッドの制作」です!

メーカーに売っている竿を買うのではなく、自分の好みの見た目や性能を追求した世界に一本だけの竿を作る楽しみ。

今回はロッドビルディングの世界を皆さんにご紹介します!

オリジナルロッドの良さとは?

普通売っていないような色合いの竿や自分だけのこだわりを詰め込んだ自分専用の竿ができるのが魅力です。

竿を1から作るというのはとても手間のかかることですが、その手間を乗り越えたからこそ得られる喜びや感動があります。

また、体のつくりは人それぞれで、例えば背の高い人低い人、腕の長い人短い人、力の強い人弱い人、etc

ご自分の体に応じて竿の長さを選んだりグリップの長さを調節することができることもオリジナルロッドのいい所の1つです。

そして何より、自分で作った竿で釣りをする喜びやその竿で魚を釣ったときの喜びは格別ですよ!

 

オリジナルロッドの作り方 ~デザイン・材料集め~

使用用途やデザインを決める

まずはどんな竿にするか決めておく必要があります。

あらかじめ決めておかないと作業が進まないので、どんな竿にしたいか何となくのイメージを持っておくことが大切です。

  • どんなルアーを投げるのか?
  • 狙いの魚は?
  • 使うシチュエーションは?
  • 長さは?
  • グリップはストレート?セパレート?
  • 飛距離重視?感度や操作性重視? etc

はじめはメーカー物の竿を参考にするのがいいかもしれません。

材料選び

ブランクスを探す

イメージが決まったら材料を選んでいきます。

まずは、もっとも大切なパーツである「ブランクス」から選びます。

ブランクスとは竿の棒の部分で、このパーツが竿の性格を大きく左右する部分なので慎重に選びましょう。

ブランクスメーカーはいくつかあり、ジャストエースマタギが一般的で様々なタイプのブランクスを選ぶことができます。

ほかにもマグナムクラフトや個人店のオリジナルブランクスもあるので、いろいろと探してみてください。

グリップのパーツを選ぶ

ロッドの顔というべき部分で、グリップ次第で竿の印象はガラッと変わります。

まず選ぶのはリールシートと呼ばれるリールを固定する部分です。

リールシートは富士工業というメーカーが販売しているものを使うのが一般的で、それ以外は使わないといっても過言ではないほど富士工業の製品が使われています。

 

リールシートが決まったら、自分のイメージにあうグリップの素材を選びます。

コルクとEVAがあり、すべてコルクで作ったり両方を組み合わせたりと使い方は自由です!

  • コルクは軽く感度がいい反面、黒ずんだり目抜けしたりと手入れが必要。
  • EVAは扱いやすく安価で手入れも楽。

 

また、グリップ周りを彩るパーツで「ワインディングチェック」という金属パーツがあります。

ワインディングチェックは性能ではなく見た目のパーツで、グリップ素材の端やつなぎ目に取り付けることで見た目がキリっと締まります。

マタギはカラーラインナップが豊富なので、ご自分の好みのワインディングチェックが見つかるはずです。

もし近くに取り扱っている釣具屋がなくネット通販で購入する場合、どの大きさのワインディングチェックを購入すればいいかわからないことがあります。

その時はブランクスとリールシート、グリップ素材を先に購入し、仮組してワインディングチェックの取り付け位置を計測してから注文すると間違って購入することを防げて失敗がありません。

 

グリップは竿の印象を決める大切な部分なので、カタログを熟読しながら慎重に吟味して選ぶことをおすすめします。

ガイドを選ぶ

グリップが決まったらガイドを選んでいきます。

ガイドは富士工業のものが主流で、日本で販売されている中級以上の竿のほぼすべてが富士工業のガイドを使用しているほどです。

ご自分の狙う魚や竿の長さに応じてガイドを選びますが、ガイドの取り付け例が富士工業のメイキングカタログに載っているので、そちらを参考にしながらガイドを選びます。

はじめてガイドを選ぶときは、富士工業が発売しているセットを購入すると間違いがないうえ、バラで買うよりも少しお得です。

メイキングスタート!

材料がそろったらまずはグリップから組み立てます。

組み立てるために必要な道具がこちら。

  • 2液エポキシ接着剤
  • 燃料用アルコール
  • マスキングテープ
  • ティッシュ
  • コアテープ(アーバー)

ブランクスのスパインを出す。

ブランクスには曲がりやすい所と曲がりにくい所があり、曲がりやすい部分を「スパイン」と言います。

それは製造工程でカーボンシートを棒状に巻くときに、巻きはじめと巻き終わり部分のブランクスが厚くなってしまうからです。

スパインの出し方は竿尻を床など平らなところに置き、ティップ部分を下から支えるように持ちます。

もう片方の手で竿の中ほどを上から押しながら、ブランクスをぐりぐり転がしてみてください。

ぐるっと回って止まるところがブランクスの中で曲がりやすい部分であるスパインです。

スパインが出たらマスキングテープなどを貼り、その上からマジックで印をしておきましょう。

グリップの接着

グリップの取り付けの順番は

  1. リールシート
  2. フロントグリップ
  3. リアグリップ
  4. グリップエンド

の順番です。

まずは仮組し、どの位置にリールシートを取り付けるかマスキングテープで正確に印をつけます。

ブランクスとリールシートの内径に隙間がある場合は、コアテープやアーバーを使って隙間を埋めてください。

2液エポキシ接着剤をしっかりと混ぜて接着します。

エポキシ接着剤をしっかり混ぜなかったり、ケチって少なめにすると接着不良を起こす原因になるので注意が必要です。

はみ出した接着剤はアルコールを染みこませたティッシュで丁寧にふき取ります。

 

ここまでの工程を動画にしてあるので、詳しくはこちらをご覧下さい!

 

ガイド位置の決定

ガイドを取り付ける位置を決める必要があります。

ガイドの取り付けの大原則は2つ。

  • 先に行くほどガイドの間隔を狭くする
  • 良く曲がる部分ほど多くガイドを付ける

富士工業の取り付け例を参考にガイドの位置を決めますが、竿によって多少の調節は必要です。

調節はガイドを仮止めし、実際に糸を通して曲げてみたり投げたりしながら少しずつガイドバランスを変えながら行います。

場所が決まったらマスキングテープで印をして位置を見失わないようにします。

ガイドの取り付け

ガイド位置が決まったらスレッドと呼ばれる糸でガイドを固定していきます。

細いものと太いもの、普通の色からメタリックのキラキラしたもの、中には光るものまで種類は様々です。

スレッドの色によってロッドの個性がはっきりし、グリップのワインディングチェックとの統一感を出したり、はたまた見やすい色にしたりと選択肢は無限大です。

太さは大まかに2種類あり、細いタイプと太いタイプ。

巻くガイドの大きさや竿の太さで使い分ける必要がありますが、アジングロッドのような極小ガイドを使わない限り太いスレッドで問題ありません。

 

スレッドの巻き方はこちらの記事でわかりやすく解説してあるので、そちらを参考にしてください。

単色巻きスレッドの巻き方を超丁寧に解説!【単色編】~オリジナルロッドの作り方~

螺旋巻きスレッドの巻き方を超丁寧に解説!【螺旋巻き編】~オリジナルロッドの作り方~

ガイドのスレッド巻きはロッドビルディングの中でも花形の作業です!

慣れると2色のスレッドを組み合わせたりと、おしゃれなスレッドを巻くことができるようになりますよ!

ガイドスレッドのコーティング

ここがロッドビルディングの最終段階。

必要なものはこちら!

  • エポキシコーティング剤
  • アルコールランプ(ライターで代用可)
  • コーティング用の筆
  • 小さな計量カップ
  • ロッドドライヤー

先ほど巻いたスレッドに2液のエポキシコーティング剤を塗って完全に固定します。

グリップを組み立てたときの接着剤とは違い、固まると美しい光沢と透明感が生まれる無色のコーティング剤です。

こちらも様々なものが販売されていますが、ぼくが使っているのは「クリスタルシーン」というコーティング剤。

個人的に価格と使いやすさのバランスが取れていると感じています。

またジャストエースの「エポキシコート」も使いやすくて初めての方にはおすすめです。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

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コーティングのやり方

ロッドドライヤーにロッドをセットしてスイッチを入れ、しっかりと混ぜ合わせたコーティング剤を筆を使って塗ります。

このとき、コーティング剤がスレッドの外にはみ出さないように注意してください。

まんべんなく塗り終えたらアルコールランプ(もしくはライター)の火でコーティングを炙ります。

エポキシは温めるとサラサラにやわらかくなる性質があるので、火で炙って気泡を飛ばしながらスレッドにしみこませます。

この時、火の先端で炙るとコーティングが焦げて茶色くなってしまうので、火の真ん中の腹で撫でるように炙るのが正しいやり方です。

 

コーティングを美しく仕上げるコツは、できるだけ薄く塗ること。

めんどくさがって一度に厚塗りすると、気泡が抜けきらなかったり表面がボコボコになってしまったりします。

3回くらいかけて丁寧にコーティングすると、市販のロッドと同じような仕上がりになりますよ!

 

おもちゃの竿を改造している動画でエポキシコーティングを少し紹介しているので、イメージの参考にしてみてください。

 

このコーティング作業を2~3回くりかえせばオリジナルロッドの完成です!!!

コーティング後の筆洗い

使った筆をそのまま放置しているとエポキシが固まって筆が使えなくなってしまうので、エポキシが固まる前に洗浄する必要があります。

筆洗いに必要なものは2つ。

  • エポキシシンナー
  • ツールクリーナー

まずはシンナーのボトルに筆を突っ込んでがしゃがしゃと大雑把に洗い、大方のエポキシを洗い落とします。

この状態でもきれいに洗えたように見えますが、実はエポキシはまだ残っているので完全な洗浄が必要です。

そこでツールクリーナーを使い、完全に筆を洗浄します。

ボトルの中に筆をつっこみカシャカシャ洗浄すれば完了です!

ブランク選びのヒント

マグナムクラフトというブランクメーカーをご存知でしょうか?

高弾性カーボンを使用したロッドで、高弾性なのによく曲がると評判のメーカーです。

このメーカーの「サクラマススペシャル8025」というブランクでロッドを作ったので、ブランク選びの参考にしてみてください。

マグナムクラフト「サクラマススペシャル8025」でシーバスロッドを作ってみた

まとめ

簡単ですが、ロッドビルディングの全体的な流れをご紹介しました。

いちど自作ロッドの楽しみを知ってしまったら、なかなか抜け出せなくなりますよ!

最後までお付き合いありがとうございました!

ロッドビルディング関連

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2 件のコメント

    • オーダーロッドもお受けしていますよ!
      InstagramかTwitterのDMいただければご相談可能です。
      ただ、現在はガイド等々のパーツの入荷がとても不安定のため、かなりお時間掛かってしまう可能性があります。
      まずはDMお待ちしております!

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